パリ地方は、数多くのプロジェクト、パートナーシップ、ビジネス取引のチャンスに恵まれています。しかし、こうしたエコシステムをとりわけダイナミックにしているのは、高いスキルを持った、ビジネス志向の国際的な人材です。全世界の投資家が争って当地方の人材雇用を進めるのも、そうした理由からです。

パリ地方の人口と人材プールの概要
 

ダイナミックな若者人口

人口1,220万人のパリ地方は、欧州で最も人口の多い地域であり、2025年までに25万人の居住者増加が見込まれています。また、欧州で最も25歳から29歳までの人口が多い地域でもあり、現在の住民の半数以上が40歳以下です。こうした若者人口の存在を通じて、革新と創造の文化が育まれ、受け継がれていくのです。
 

世界各国から集まった、世界に通用する人材

当地方は、170万人の外国人居住者を数え、国際企業や起業家、学生、観光客に人気の高い場所です。その多くが他の欧州諸国やアフリカ、アジア圏出身で、当地方が多言語を使いこなせる人材の宝庫であることを意味しています。

こうしたコスモポリタンな環境を考えれば、国際投資家が人材募集のために当地方に注目するのも不思議ではありません。技術的なスキルだけでなく、複数の言語に堪能な人材を確保することができます。実際、パリ地方のビジネスマンの多くは、外国語を少なくとも一か国流暢に話し、海外での就労経験や留学経験があります。 英語はもちろんのこと、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、オランダ語、中国語、アラビア語など、さまざまな言語に精通する居住者がいます。

優れた技能レベルと高等教育機関

多様性に富んだ優秀な人材の宝庫

イノベーションの中心地であるパリ地方は、研究開発、科学技術分野の就業者数で欧州第1位にランクし、研究者数は12万人にのぼります。また、世界有数の科学技術クラスターを擁するディープテック分野の欧州リーダーとして、研究・イノベーションを促進する強固なインフラを備えています。欧州で最も多額の研究開発費を誇り、自動車、IT、製薬、エレクトロニクスなどの主要産業部門を支援する、研究開発費の税額控除制度を利用できます。また、データに基づいた分析的思考の発達を目指す優れた学校や大学機関も多数あります。例えば、パリ＝サクレー大学は、世界の大学ランキング数学部門で第1位、物理学部門でも上位にランキングされています。

定評あるエンジニア

パリ地方は、高度な訓練を受けた技術者の宝庫です。当地方にある技術学校36校の在籍者数は現在4万5,000人で、この数は今後も増え続ける見込みです。代表的な科学技術系大学としては、高等師範学校（Ecole Normale Supérieure/ENS）と理工科学校（Ecole Polytechnique）の「グランゼコール」2校や、定評あるグランゼコール10校が連携する優れた高等教育機関グループ、パリテック（ParisTech）が挙げられます。創造性、規律性、経験的思考を兼ね備えた質の高い教育を受けた当地のエンジニアは、最も注目される存在です。

ビジネス＆マネジメントスキル

あらゆる規模の企業に対応できる人材の宝庫

パリ地方では現在、7万2,000人の学生がビジネス＆マネジメントを専攻し、世界有数のビジネススクールで教育を受けています。例えば、INSEAD（欧州経営大学院）のGlobal MBAプログラムは世界ランキングで第1位、Executive MBAプログラムは第3位の高い評価を受けており、卒業生は最低3か国語を話します。経営学分野のもう一つの名門校にHECがあります。同校は欧州第1位のビジネスススクールで、世界有数のExecutive MBAおよびGlobal MBAプログラムを誇ります。一方、ESSECとESCP Europeも、世界的に高いレベルが認められた修士課程を提供するビジネス・エリート養成機関です。

学生たちは、優秀な起業家やビジネスリーダーとなることを目標に、優れた経営管理スキルを身に付けると同時に卒業後の就職に向けての準備を行います。実際、これらの教育機関も含め、フランスの教育制度では、必須インターンシップを通じた実務経験を重視します。こうして、学生は、初期段階のスタートアップから中堅企業、機能横断的で国際的な運営形態を有する国際グループまで、さまざまな企業で実務経験を積むことができます。
 

多彩な技能と多様な言語が混ざり合う都市

当地方の教育機関のカリキュラムには、バイリンガルプログラムも多く、全授業を英語で行うところもあります。このようなプログラムを提供しているのが、Sciences Po（パリ政治学院）、パリ＝サクレー大学、パンテオン・ソルボンヌ大学、パリ大学、パリ第11大学、パリ・アメリカ大学（AUP）、ロンドン大学パリ研究所（ULIP）などです。また、当地方では、低学年を対象とした国際的なバイリンガル教育の機会も増えており、小学校から複数の外国語を学び、国際的に承認された高等学校卒業資格を取得することができます。

労働市場に即時対応できる人材

さまざまな分野の学生

世界でもトップレベルの教育機関を擁するパリ地方は、優れた研究者の宝庫です。当地方の全体的な教育水準は高く（学士号以上の資格取得者が成人居住者の42.5%）、現在の高等教育履修者数は71万6,750人にのぼることから、今後さらに伸びることが予想されます。

パリ地方は、ビジネスやエンジニアリングに特化した多くの一流校はもちろん、名門の美術学校も数多く、クリエイティブな精神を育みます。世界のファッションの中心地にふさわしく、トップクラスのファッションスクールも擁しています。例えば、 IFM（Institut Francais de la Mode、仏モード教育・研究施設）は、特に世界最高レベルのファッションマネジメントおよびアート＆コミュニケーションの修士過程を履修できる、ファッション分野の“グランゼコール”です。

フランスの映画制作の半分が、パリ地方で行われています。そのため、将来のプロデューサー、作家、アーティスト育成のためのトップ校も少なくありません。例えば、Gobelins（ゴブラン）は世界のベストアニメーション学校第1位に選ばれています。La Fémis（国立高等映像音響芸術学校）は、フランス屈指の映画学校です。

理論を実践する

パリ地方の学生は、世界的に有名な教育機関で学ぶだけでなく、実務訓練を受けることができます。これは、フランスの教育制度において、企業における卒業生のインターンシップが重視されているためです。企業にとっても、さまざまな実務経験を積んだ多様なバックグラウンドを持つ意欲的な人材や将来の社員候補を獲得できるチャンスとなります。

イノベーション精神あふれる国際的な教育を誇るパリ地方は、企業にとって理想的な人材の宝庫なのです。
 
パリ地方での雇用に関する詳細については、人材採用のための実用ガイドブックをダウンロードしてください。 .