2020年:パリ地方の魅力にとって記録ずくめの年
フランスは、2020年もますます魅力を増しており、多くの海外からの投資がありました。この傾向は、現在進行中のコロナ禍でも損なわれていません。今日、パリ地方は、市場へのアクセス、事業支援戦略、起業家を強力に結びつけるネットワーキング力があるため、イノベーションのショーケースとなっています。
欧州で最も魅力的な地域としてのパリ地方の地位は、 2020年海外からパリ地方への直接投資に関する記者会見(FDI)で、パリ地方の行政機関の代表者である Valérie Pécresse と、Choose Paris Region の代表でありパリ地方の地方議会議員でもある Franck Margain が提示した数々の具体的な数字でも、確認することができます。
パリ地方の実績は歴史的なものです。2020年、パリ地方は、336件もの海外からの直接投資を迎え入れました。これは長期的には約10,800人分の雇用を創出することになります。また、2019年には38か国からでしたが、2020年には合計42か国からパリ地方への投資が行われました。雇用創出の見地からは、これまでで最高の実績であり、 Valérie Pécresse の言によれば、パリ地方は「激動の1年の堅牢な安全地帯」となっています。
また、再投資に関する実績を見れば、パリ地方が企業活動振興のために提供している機会を、投資家たちが信頼していることを裏付ける結果となっています。実際、2020年、米国からは67件の投資があり、パリ地方への最大の投資国の地位を保っています。昨年、第2位の投資国の地位を占めたのは英国で、37件のプロジェクトがありました。投資国の上位5か国を見ると、ドイツが第3位で27件、つぎにイタリアの23件、さらに日本の22件となっています。2019年には38か国からでしたが、2020年には合計42か国からパリ地方への投資が行われています。
技術革新が進む業界の企業と主要な意思決定者がパリ地方に集結
これらの数字は、2020年のあいだにパリ地方に事務所を開設した企業を具体的に見ることで、実証することができます。たとえば、スウェーデンのエリクソン社は新しい5G研究開発センターを開設し、日本企業のアイリスオーヤマは欧州向けマスク工場を開設しました。また、人工知能を利用してタンパク質を作り出すチリのスタートアップ企業プロテラ社が欧州事務所を開設し、デロイト社がパリ地方に支社を設立しています。
さらに具体的に、危機に強い産業分野を見てみると、IT 部門(電子部品、ソフトウェア、電気機器、電気通信事業)とコンサルティング業が、急成長を遂げている電子商取引とあわせ、2020年の実装事例の70%を占めています。これら108件の IT プロジェクトのうち、ソフトウェアが78%を占めており、特にダイナミックな部門となっています。
一部の産業分野の回復力は、経済のデジタル化によるものですが、コロナ禍の本質的性格により、ライフサイエンス分野の重要性も高まっています。実際、2020年の実績で、25件のプロジェクトがライフサイエンス関連で、このうちバイオテクノロジー関連のプロジェクトが16件、医療機器関連のプロジェクトが11件となっています。
さらに、意思決定センター、事業サービス、研究開発関連のプロジェクトが61件あり、主要な国際グループにとって、パリ地方は、欧州市場への自然な玄関口であり、最高のロケーションであることが、示されています。研究開発センターは、2020年にパリ地方に投じられた投資プロジェクト全体の12%を占めており、パリ地方が研究開発にとってこれ以上なく魅力的な場所であることを、あらためて確認できる数字となっています。
ビジネスにやさしい環境
パリ地方の産業復興を図る Nouvel R' 計画の一環として、パリ地方は昨年11月、「産業復興」募集事業を開始しました。現在までに、このスキームにより、パリ地方の161の企業が、施設を移転、開設、改造するにあたり、支援を受けました。7,000万ユーロを投じることで、パリ地方の雇用を創出・維持しようとするものです。地域の関係者の共同作業のおかげで、産業プロジェクトを受け入れる準備が整っていて、すぐに利用可能な施設が、パリ地方で26か所見つかっています。このプロジェクトの対象となる企業活動は、付加価値が高く、環境にやさしく、技術革新を推し進める産業で、なおかつ、環境問題や社会問題への対策に役立つものとされています。
外国企業が店舗を開くのを支援するため、パリ地方と Choose Paris Region は、今まさに移転を進めている国際企業や、すでにパリ地方に店舗を構えている国際企業を支援することを優先課題としています。
パリ地方とオープンイノベーション募集事業は密接に関わっています
アーバン・エア・モビリティ業界の構造化のための 募集事業が、2020年9月、ポントワーズ飛行場で開始されるなど、Choose ParisRegion は共同で、いくつかのプロジェクト募集事業を主導しています。こうした世界的な募集事業の成功は、パリ地方が持つ国際的な魅力と、未来産業の開発の重要性を、裏付けています。
また、パリ地方、Choose Paris Region、ADP グループ、エールフランス-KLM、エアバスは、空港に水素対応の支店を開設するプロジェクトの、かつてない募集事業を、全世界を対象に開始しました。この5団体が目指す境地は共通しています。まず、ご応募いただいた研究や技術の進捗状況を評価・査定し、空港における水素ニーズを満たしつつ採算が採れる実行可能なソリューションかどうかを試験し、中期的な視野の運用と補給の課題を設定します。これは大規模化、特に将来、水素エンジン搭載の航空機を就航させることを視野に入れてのことです。
「2021年も、パリ地方と Choose Paris Region は、共同事業をさらに推し進めてまいります。そこには、環境問題や社会問題の見地から高い付加価値を有するプロジェクトをパリ地方に誘致したいという、共通のコンテクストがあります。また、持続可能な雇用を創出し、技術革新の最先端を行く製造拠点を、フランス本国に取り戻したいという目論見もあります。」 Franck Margain, President of Choose Paris Region