パリ地方で働いたり、事業を立ち上げるためには、入国目的や滞在期間に応じてビザや労働許可証を申請する必要があります。どのような種類のビザや労働許可証が必要かを含め、移転前のこの重要なステップについてご紹介します。
フランスのビザは必要?
EU圏内の国民
EU、EEA(欧州経済領域)、スイス国籍の方は、ビザや労働許可証なしでフランス国内を自由に往来したり、フランス国内で就労したりすることができます。有効なパスポートや身分証明書以外の書類を提示する必要はありません。ご希望であればEU市民のレジデンスカードを申請することもできますが、義務ではありません。
EU圏外の国民
EU、EEA(欧州経済領域)、スイス国籍をお持ちでない方で、フランスでの投資、就労、滞在を希望される方は、労働許可証および適切なビザが必要となります。
ブレグジット:英国国民
2021年1月1日以降、滞在に関してはEU圏外の市民を対象とした手続きに従う必要があり、フランスに90日以上滞在する場合はその目的にかかわらず長期滞在ビザの申請が必要です。
滞在期間は?
入国ビザには、滞在の目的と期間に応じて2つのカテゴリーがあります。
短期滞在ビザ
シェンゲンビザとも呼ばれ、観光、出張、または余暇を目的としてフランスに入国するEU圏外の外国人が対象です。また、研修プログラム、インターンシップ、会議、企業ミーティング等の目的でフランスに渡航される方で、滞在期間が90日を超えない場合にも利用できます。90日を過ぎると、シェンゲン協定圏から出る必要があります。短期滞在ビザは更新が可能ですが、次回更新手続きまで6か月間待たなければなりません。申請料金は35~80ユーロで、申請者の国籍によって異なります。詳しくは こちら.
長期滞在ビザ
3か月を超える就労の場合は、長期滞在ビザ、労働許可証、滞在許可証の申請が必要で、雇用主側が手続きを行うことになっています。長期滞在ビザは外国人がフランス国内に入国することのみを許可するもので、労働許可証と滞在許可証はフランスでの合法的な就労および滞在を許可するものです。長期滞在ビザの有効期間は3か月~1年ですが、期間延長の場合は県庁にて滞在許可証の申請が必要となります。この長期滞在ビザの申請料金は99ユーロです。国籍や状況によるビザ申請の要否については こちら からご確認ください。
ビザ申請手続きに関する詳細は、フランス政府のホームページ をご覧ください。
労働許可証の取得
「才能パスポート」(Passeport Talent)の資格を有する場合を除いて、滞在期間を問わずフランスで就労する場合は事前に労働許可証を取得する必要があります。外国人従業員の採用には、有給雇用を認める特定の労働許可証が必要です。雇用主は、従業員が職務に就く少なくとも3か月前に、労働許可証の申請書類を提出する必要があります。
世界に開かれた優秀な人材の受け入れを目的とした「才能パスポート」
「才能パスポート」(Passeport Talent)は、EU圏外の外国人労働者を対象とした複数年有効の滞在許可証です。高資格者や、フランスの経済発展に貢献する起業家が対象となります。対象となる11種類の職業カテゴリーについては こちら からご確認ください。
雇用契約期間または滞在期間が3か月を超えることが条件となります。申請者本人とその家族に適用されるもので、4年間有効かつ更新可能です。
申請手続きと料金
手続きは、フランス入国の3か月前までに、通常の居住国のフランス大使館または領事館にて行う必要があります。
申請者は、許可証の発行時に登録・申請料200ユーロをフランス移民局(OFII)に支払う必要があります。これに加えて印紙税25ユーロがかかるため、合計225ユーロとなります。
「フレンチテック・ビザ」:スタートアップの起業家と従業員向け
「フレンチテック・ビザ」は、フランスのIT業界に特化した簡易化されたビザ取得手続きで、この活力あるエコシステムの起業家、投資家、および従業員が複数年有効な「才能パスポート」を取得しやすくすることを目的としたものです。
- パートナーのインキュベーターやアクセラレーターによって選考された起業家
- フランス経済省により革新的と認められたフランス企業が採用する外国人従業員
- フランスでの投資を希望する投資家
このビザの詳細については、「Welcome to France」の ホームページ をご覧ください。
その他の有用な情報
入国手続きの簡易化
フランス政府は、外国人の入国審査手続きの効率化を目的として、入国手続きを段階的に電子化することを決定しました。最初に電子化される手続きは、滞在許可証の申請または更新、および外国人従業員の労働許可証の申請です。
労働許可証申請に関する新しい オンラインサービス をご覧ください。
健康状態と最後のアドバイス
新型コロナウィルス感染症の拡大に対処し、変異ウィルス拡大を制限するために、フランスでは一時的な出入国規制が導入されています。この規制は、目的地または出発地の国に基づくもので、 内務省のホームページ で確認できます。
フランス・ビザ公式ホームページ こちら では、ビザの申請や必要書類などに関する詳しい情報をご覧いただけます。
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